森林の中で楽しめるアクティビティの一つがマウンテンバイク(MTB)です。MTBは自転車に乗って山や森の中を走るスポーツで、日本でも近年人気が高まっています。MTBは健康増進やストレス解消にも効果的です。さらに、MTBで森林を利用することが森林にも良い効果を与えるかもしれません。この記事ではそんなMTBの可能性をとりあげます。
マウンテンバイク(MTB)とは
マウンテンバイク(MTB)とは、山や林道などのオフロードで走る自転車のことです。MTBは、一般的なロードバイクとは異なり、太くて凸凹のあるタイヤや、衝撃を吸収するサスペンション、多段変速ギアなどを備えています。これらの特徴により、MTBは様々な地形を走破できます。
MTBによる森林利用の利点
MTBでの森林利用は、主に「レクリエーション」と「スポーツ」の目的に利用されます。MTBで森林を利用していくことで、私たちが森林の恩恵を享受できるのはさることながら、森林にとっても良い効果となるかもしれません。MTBによる森林利用のメリットは以下のとおりです。
自然保護と保全
MTBのコースやトレイルは、森林の保護と保全を促進することがあります。適切な管理や設計により、環境への悪影響を最小限に抑えながら、森林の自然環境を保護することが重要です。放置され荒廃した林地にMTBのコースやトレイルをつくることは森林の改善につながることが期待できます。
レクリエーションと健康
MTBは、人々に自然とのふれあいやアウトドア活動の機会を提供します。森林の美しい景観や豊かな生態系を楽しみながら、リラックスやストレス解消、健康づくりなどの効果を得ることができます。
環境教育
MTBの活動を通じて、森林の重要性や持続可能な利用方法についての教育や啓発活動が行われることもあります。森林に関心を持ち、環境保護意識を高めることが期待されます。
MTBで森林を利用するには
MTBで森林を利用する場合には、いくつかの注意点があります。まず、森林は個人や団体が所有している場合が多く、無断で入ったり走ったりすることはマナー違反です。また、森林は生態系が豊かで、動植物の生息地となっています。そのため、植物を踏みつけたり、動物を驚かせたりしないように配慮する必要があります。さらに、森林は災害防止や水源保護などの役割も担っています。そのため、仮に森林を荒らしてしまうと土砂崩れや洪水などの危険性もあります。安全に楽しむためには、天候や地形などの情報を事前に確認し、適切な装備や準備をすることが大切です。
では、どうすればMTBで森林を利用できるのでしょうか。その一つの方法が、専用のMTBパークを利用することです。MTBパークとは、森林内に造成されたコースでMTBを楽しむ施設です。MTBパークでは、初心者から上級者まで様々な難易度のコースが用意されており、安全に走ることができます。また、MTBパークでは、山主や地域住民や行政と連携して、森林の管理や保全にも取り組んでいます。
日本の事例
日本では静岡県周智郡森町にある「ミリオンペタルバイクパーク」が有名です 。このパークは2021年4月にオープンし、樹齢150年を超えるヤマザクラの花びらが舞う幻想的なトンネルを走ることができます。このパークは、林野庁の助成事業「サステナブル・フォレスト・アクション(SFA)」で最優秀賞を受賞し、森林所有者の新たな収入源確保のモデルとして注目されています 。
海外の事例
海外では、MTBで森林を利用する事例も多く見られます。例えば、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるウィスラーは、世界最大級のMTBパークを有するリゾート地です。ウィスラーでは、夏季にはスキー場をMTBパークに変えて、多くのバイカーが訪れます。ウィスラーのMTBパークでは、森林内に約70本のコースがあり、ジャンプや障害物などのアトラクションも充実しています。ウィスラーでは、MTBを通して森林の魅力や価値を伝える取り組みも行われています。
まとめ
MTBは森林と人との新しい関係を築くことができるスポーツです。森林を利用することで、自然と触れ合いながら楽しみ、健康になることができます。また、森林を管理することで、自然環境を守り、地域活性化にも貢献することができます。MTBで森林を利用する場合には、マナーやルールを守り、安全に走ることが大切です。ぜひ、MTBで森林の働きや魅力を感じてみてください。
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